1. 第88回夏期講習会プログラム 各講義の概要

7月26日(木)10:00~17:20

1. 千葉 晶彦(加工プロセス工学研究部門) 
 「3Dプリンタ(金属積層造形)技術の基礎と研究開発動向」

キーワード:加工プロセス工学、3Dプリンタ、電子ビーム積層造形
内容:3Dプリンタの一種である金属積層造形技術の基礎について説明する。金属積層造形技術を用いた
        新規材料開発の可能性、欧米を中心として展開されている製造業のデジタル化(先進製造業)と
        金属積層造形とのかかわりについて、世界的な最近の研究開発状況を踏まえて講義する。

2. 松岡 隆志(電子材料物性学研究部門) 
 「青色LEDで知られる窒化物半導体によるエレクトロニクスの新展開」

キーワード:窒化物半導体、青色発光ダイオード、高出力・高耐圧トランジスタ、
                高周波トランジスタ、結晶成長、エピタキシャル成長
内容:青色発光ダイオードで知られる窒化物半導体の結晶成長およびデバイスへの応用について、
        現状と将来を概説する。同時に、社会からの要請についても言及する。

3. 淡路 智 (強磁場超伝導材料研究センター) 
 「強磁場の発生と利用」

キーワード:超伝導磁石、磁場効果、状態図
内容:近年10T程度の磁場は比較的身近になりつつある。さらに金研では、最高30Tのハイブリッド磁石、
        25Tの無冷媒超伝導磁石が稼働しており20T以上の高磁場利用も可能となっている。これらに
        強磁場は、電子やスピンに基づいた物性研究だけでなく状態図や結晶成長などに関連した
        材料プロセスにおいても大きな効果が現れることが分かっている。本講義では、超伝導を用いた
        強磁場の発生方法からその効果について、具体的な研究結果を交えて説明する。

4. 毛利 哲夫 (計算物質科学人材育成コンソーシアム) 
 「計算材料科学の人材育成から材料開発へ」

キーワード:計算材料科学、機械学習、材料開発、材料探索
内容:東北大学金属材料研究所は計算材料科学の多彩な活動を展開しているが、中でも
        計算物質科学人材育成コンソーシアムのイノベーション創出人材育成事業では、
        インターンシップを介して、材料開発の基礎・応用・実用化の階層を越える人材の
        育成を目指している。最近、我々は、材料開発における産業界の動向、特に
        マテリアルインフォマティクスの重要性を鑑み、セミナーなどを介して、本事業の
        実験分野の人達への展開を図っている。講義では本コンソーシアムの取り組みを
        紹介すると共に、材料開発における機械学習などの役割について講じる。

5. 笠田 竜太(原子力材料工学研究部門) 
 「メカニカルアロイング法とナノ・メゾ組織制御」

キーワード:メカニカルアロイング、ナノ酸化物粒子分散強化、耐照射性
内容:主に原子力・核融合エネルギー用途に開発を進めてきた酸化物分散強化合金について概説する。
        特に、高強度・耐環境性・耐照射性の向上を目指したメカニカルアロイングによる金属中への
        ナノ酸化物粒子の高密度分散法と焼結後の組織制御について紹介する。
        また、材料の局所力学特性を評価するための超微小試験技術の特徴についても時間が許す限り説明する。

6. 古原 忠 (金属組織制御学研究部門) 
 「さらなる高強度化を目指した鉄鋼の熱処理技術」

キーワード:組織制御、加工熱処理
内容:鉄鋼材料の特性を制御する熱処理の基本原理について概説するとともに、
        近年の自動車用高強度薄鋼板の開発を中心とした熱処理技術の動向についても紹介する。